消費増税後の景気を支えるために実施される安倍内閣肝入りの政策が、キャッシュレス決済の5ポイント還元だ。
消費増税に伴う実質の負担増が2兆円程度なのに対し、この政策費用が2.3兆円とされている。これはやり過ぎであり、税収が足らないから増税するという出発点との矛盾は明らかだ。国会で安部首相が「増税で頂いた分はすべてお返しする」と得々と答弁していたことがあるが、これには驚いた。この制度に参加できるのは中小企業に限られており、小売業では資本金5千万円以下または従業員50人以下と定められている。
気がかりなことに、中小企業の特典を狙ってか小売業の「減資」がブームになっており、帝国データバンクによれば今年の5月までで263件と前年の1.8倍のハイペースだという。身近なスーパーの資本金は、ヒバリヤ3千万、田子重5千万、マム9千4百万円、タイヨー9千万円、静鉄ストア1億円などで、ヒバリヤと田子重はこの制度に参加する資格がある。
わざわざ減資をして参加する小売業が増えれば政策費用どこまで膨れ上がるかわからない。今後の成り行きを注視したい。